居酒屋に限らずコンビになども含めチェーンストアで不思議に思うこと。
スーパーバイザーと思われる方の人相が悪い。
コンビになどでもそうだが、スーツにネクタイで店内を回っているスーパーバイザーの方を見かける。
ちょっと怖い雰囲気。
レジがたまたまいなくて、その方にレジをやっていただくと恐ろしく無愛想。
手際はいいが、この人店に接客指導としても来ているのに、一番イメージ悪い。
店長と思われる方が疲れてる。
投げやりな感じが多い。
笑顔でも無理してる、努力している感が伝わってくる。
アルバイトさんに商品知識がない。
毎日運んでるメニューのはずが、商品に対しての思い入れがない。
聞くと戸惑って、確認してきますって戻って、とってつけたような説明をされることが多い。
せめて自分が食べた感想を素直に語って欲しいと思うのだが。

そういえばこんな話を聞いた。
ハンバーガ屋さんに行って、シェイクのSサイズのみのテイクアウトを頼むとびびられるって噂を。
とどめに、ストロー刺してもいいですかって聞かれたら、刺さないで下さいって答えるといいらしい。
これは、シェイクの雑菌を本部側で抜き打ち検査しに来たって思われ警戒されるとのこと。
まあ単なる噂ですが、覆面調査を含めてある程度の抜き打ち的な調査が入るのはよくあることである。
悲しいのは、普通のお客さんの時には適当に惰性で接客しているのに、本部の調査に対してはアンテナがバリバリ立っているって事だ。

本部は客を見ないで、店や従業員の欠点を探そうって躍起になり、従業員側も客を見るより本部の指摘を回避することに躍起になっている。
客としてはそんな姿勢が気に入らないって思っているがしょうがないので無視してるって状況。
そろそろ気付いて欲しい。


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人生一寸先は闇って言葉には、だから人生が面白いっていう逆説的な意味もあった。
今は違う。
一寸先を闇と捉えたら、悪い罠に絡め取られる事が確実って時代である。
罠は巧妙になってきており、長期的な罠や、マクロ的な罠や、ミクロ的な罠が網羅されている。
まあ勝手気ままに生きてる人と繋がることが好ましい。
こっちも勝手気ままが一番であると思う。
人ってのは本来何らかの嗜好性を持っているわけではない。
あえて言うなら楽しそうって所に向かおうとするだけだ。
それでいいんだと思う。
気に入った特定の居酒屋に通う時期はあるが、それは一側面が気に入り飽きない間だけのことである。
その側面を学んだ後は、たまに昔を懐かしむようにふらりと訪れることになる。
居酒屋側もそのところは理解し、特定の魅力を用意することが繁盛に繋がると思う。
私達が注意しなくてはならないのは対立の構図である。
対立した時点でどちらも間違っていると理解する必要がある。
判り易いのは、例えば宗教。例えばイデオロギー。
身近なところで言えば、会社内の派閥、利益分配。
対立した時点でどちらも大きな間違いを内包せざるを得ないと理解しなくちゃならない。
宗教にしてもイデオロギーにしても、かゆい言葉だが、皆幸せに生きるにはってのが本来のテーマ。
どちらかの当事者になった時点でお終いだって思わなきゃ。
まあ一番いいのは、大通りを下駄を鳴らしてオス、オスって能天気に歩き進んで行く事だと思います。
逆に言うと皆さん路地裏に迷い込んでいて、結構大通りはすいていて歩きやすい今です。
TV見ない。ネットやらない。携帯持たない。これがコツです。ね。
やってみると爽快感がありますよ。

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遅い昼食を取ろうとして街を歩いていたら、突然の雷雨、一番近い喫茶店に入った。
ここは何度か来ていて、場末な感じの喫茶店。
とりあえずカレーライスを。
カレーライスがおいしいわけじゃない。
ここのメニューの中では比較的普通の味覚に近いから。
だまになったルーの塊が混じり、鍋底に焦げ付いた黒い物体も混ざり、多分鍋からルーをかけるとき鍋下のすすだと思うが、それが皿のふちについている。
店内は喫茶店って言うより、場末のスナックって言った感じ。
ばしゃばしゃとたたきつける雨を見ながらカレーを食った。
アイスコーヒーも頼む。
ガムシロップがかき回しても溶けない。
コーヒーが薄くて比重が溶け合うところまで行っていないのだ。
ここは中年の男3人でやっている。
マスターと呼ばれる初老の男。
なぜかカウンターから出てこない、河童みたいな髪型をした男。
マスターにいつも文句を言っているが、お客さんに声をかけられることを恐れてる。
もう一人は時々調理もするが、いつもカウンターに座って就職先を探している男。
店の公衆電話から、面接の申し込みをしている。
今日も面接の申し込みをして、今から行きますって出て行った。
面接男が出て行くと、マスターと河童男が面接男の悪口を一通りやる。
この3人の関係は各々軽蔑しあうことが出来るってことで成り立っている。
この関係の外では軽蔑される側にいつも居たんだと思う。
いろんな関係のあり方があり、いろんな次元で自分たちの世界を作ってるのが人だと思う。
自分もそんな一人だと思う。

そういえば、小学校2年生の頃だと思う。
年上のいとこが漫画の本を貸してくれた。
その中に落ちていく人って漫画があった。
ある穴に自殺者が身を投げるのだが、その穴は底なし。
とにかく落ち続ける毎日が始まる。
落ちることが日常になった先輩自殺者は、落ちてくる物を集めて小屋を作りそこで寝泊りしたり、自炊したり、農業を始めたりしている。
中にはまた失望して落ちてきた縄で首を吊ろうとするが、縄も一緒に落下してるので死ねないなんてギャグがあったり。
結局は落下の日常の中で酒を飲んだりしながら楽しんで、時だけが過ぎ年取っていくって話だった。

なんかな。
居酒屋で飲むことは、擬似落下体験って部分も私にはあるな。
落下を始めていないことの証明で、擬似落下して試すって感じが。
ちょっと今日は永井荷風が少しはいってしまいました。では。


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鍾乳洞に行ってきた。
確か子供の頃一度ここには来たことがある。
石柱が育つには恐ろしく長い時間を要するらしいから、鍾乳洞としては一瞬なのであろう。
老若男女が混じった集団の列は、一番歩みの遅し人の歩調でゆるゆると進んでく。
途中で案内のおじさんが、ビル9階ぐらいの高さを移動しますって言ってたけど、事前に全容が見せられたら入らなかった人って沢山いるだろうなって思えるような、足の不自由なご老人まで参加しているのが面白い。
ライトアップされた洞窟内は美しかった。
こうもりも飛んでいた。
3種類生息しているとの事。
気温15度、湿度90%以上の洞窟内を、水滴に時々驚きながら歩いてきた。
40分のゆっくりとした探検であった。
ところどころにワイセラーが設置させていた。
山葡萄のワインを洞窟内で保存して熟成させているって説明書きがあった。
お土産屋さんで売ってた地元の天然水を買って飲んだ。
なんとモンドセレクション3年連続大金賞受賞のミネラルウオーターである。
甘い、驚いた。
水で感動したのは久しぶりだ。
お土産屋さんでラベンダー摘み無料券を2枚貰ったので、暫くラベンダーを摘んだ。
プラスチックのカップを渡され、これが一杯になるまで摘めるらしい。
かなり摘まないとそこまでにはならない。
途中から気分は庭の草むしり状態に。
一杯にしないで終了した。
受付に鋏を返すと、沢山のラベンダーを補充して渡してくれた。
食事は少し離れた蕎麦屋に入った。
お冷がモンドセレクションだった。
井戸水を使っているのであろう。甘い。
ぶっ掛け蕎麦ってのを頂いた。
なめこ、山菜の水煮、大根おろし、おろし生姜、針海苔、ねぎ、わさび、海老天がつめたいそばの上に載っている。
そこに冷たい掛け汁をたっぷりかけていただくやつ。
蕎麦は田舎そばってメニューには書いてあったが、玄蕎麦が多い黒っぽい蕎麦で、太めに切られて少しだけ茹ですぎって感じの、なるほど田舎蕎麦って感じで名人感をまったく排除して、普通で旨かった。
しかも、蕎麦と汁に使う水はモンドセレクションですからね。
今日は水を感じる日だった。
帰路山の上で小雨が降ってきた。
ワイパーが拭う水滴もおいしそうに思えた。
車の中はラベンダーの香りが充満していた。


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週末は大抵電車で中距離を移動している。
私はなぜか長時間乗り物に乗ると真面目になる。
真面目になるってのは変か。
テンションが下がるって言うかはしゃぐ気分がなくなるって感じかな。
何故なんだろう。
景色がめまぐるしく動いて、自分は同じ姿勢のままの状態が続くからだろうか。
普段は部屋というか空間にある程度固定感があり、自分が動いてるって感覚だから思考もテンションも自分側で変えてくって感じになる。
それが逆転するから自分に固定感が宿っちゃうのかな。
気分的に言うと、若殿様。
何もしなくてただいるんだけど、周りが全部やってくれて進行していく。


「月日は百代の過客にして、過ぎ行く時もまた旅人なり」(間違ってないかな)
こんな気分になっているのかも知れない。
しかし芭蕉の奥の細道のこの書き出し凄いな。
逆に言うと、大した乗り物がないときに、この感覚を持てるってのは鋭いな。
もしかしたら馬に乗れたのかな。
実は奥の細道の旅は歩いたのではなく、馬で駆け抜けたって仮説も面白いな。
芭蕉は伊賀だか甲賀だかの出身で、芭蕉忍者説ってのもあるし。
で、この記事も電車の中で書いている。
OFFに向かう電車なので、缶ビール片手に居酒屋電車と化している。


田んぼに白鷺がいる。


白鷺に遅れて我に返りけり  柳橋卓美


白鷺は夏の季語。
炎暑の中、田んぼの中で一方向をじっと見ている白鷺をイメージして。
なんだかなぁって虚脱感となんかいいぁってしみじみ感。
電車居酒屋の楽しみってこんな感じです。


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そういえば私の次男は一人が好きだ。
2歳の時に動物園に連れて行き、芝生にレジャーシートを広げてお弁当タイム。
彼は、コーラとしゃけのおにぎりが好き。
家人から受け取ると、レジャーシートから少し離れたベンチに座り向こうを向いて独り食べている。
おにぎりがなくなると、また戻ってきて、またひとつ貰ってまたさっきのベンチで。
おーい、一緒に食べようって声をかけるが、彼の背中を涼しげな風が吹いているだけ。
その次男が、陶芸家になると言い出した。
息子ながらうらやましい限りである。
彼の性格として、独りで轆轤を回し続けるのは全然苦にならないであろう。
もしかしたら、寝るまで淡々と轆轤を回し続けて飽きないかも知れない。
実際今年窯に行って轆轤で作ってきたが、初めてにしちゃ凄く上手い。
一日中土を扱い、時間が来たら食事をする。
他何もしない。
良い暮らしである。
私も手捻りでは何度か作ったことがあるが、どうも陶芸には才能がなかったようだ。
私が次男にアドバイスできるのは、居酒屋にこんな皿、酒器が欲しいってことぐらいだ。
知らない方も多いだろうが、オカリナ奏者の宗次郎って方と昔知り合いだった。
自分で飲食店を始める時、宗次郎さんに陶芸家を紹介いただいた。
ミュージシャン兼オカリナ専門の陶芸家の宗次郎さんにどうして陶芸家になったのか聞いたことがある。
「普通の会社に勤めると、辞めるって言いにくそうなんで」って答えだった。
意思が弱いのか、責任感が強すぎるのか、不思議に思ったが、マージャンの合間に正座でほか弁を食べる姿を見ながら、なんとなく納得させられた気がする。


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宮崎駿さんのジブリにいる鈴木さんんって方の対談記事を読んだ。
最後の方に語られていたのは、今アニメーション界は危機なんだらしい。
って言うのも、例えば薪割りのシーンを書けって言うと、今の人たちは薪割りをしたことがないから、リアルな薪割りシーンを描けないらしい。
実際に、千と千尋の神隠しで冒頭に出てくる、両親が食い物をがつがつ食べてそのまま豚になっていくシーンで、人間ががつがつと物を食うシーンを若手のアニメーション作家は描けなかったらしい。
宮崎さんが、君ら物をがつがつ食ったことないのか?って聞いたら、ないと答えられて、しょうがなく自分で手直ししたらしい。
見たことがあることと身体が経験したことでは、雲泥の差があるんだという。
そう言った意味では、居酒屋も忘れられている体験をあえて体験してもらうってやり方もいいかも知れない。
これから、ってもうすでに暑いが、エアコンをつけない店内を体験してもらう。
ビルインの店舗では難しいが、戸建の店舗で入り口に打ち水をして、入り口と窓は開けっ放しにして、ヒグラシの声をかすかに聞いて、冷たいビールで涼を取ってもらうなんてことを。
冷やした奴に茗荷の千切りをのせたのとか、モロキュウだとか、アナゴの白焼きだとかを出して。
自宅でも出来ますよ。
入り口、窓を開け放って、一風呂浴びて、糊の利いた浴衣にでも着替えて、熱々のすき焼きとビールなんてのが。
週末やってみようかな。
子供たちには、その後花火をやって、スイカを食べるってことで納得してもらうか。
濡れ縁に座ってスイカの種を庭に撒き散らす開放感も味わって頂こう。

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今日TVを見ていたら、ブラインドサッカーって言うのかな、目が不自由な方のサッカーがあるって紹介していた。
しかもワールドカップみたいに世界大会が間近らしい。
日本も決勝大会に出場が決まっている。(やっぱりブラジルが強い)
コートはフットサルの大きさで、キーパーだけは目が見える人でいいらしい。
でもゴール前のあるエリアから出ることは禁止。
フィールドメンバー4人でちゃんとした試合では、アイパッチを張った上にアイマスクをつけてやるらしい。
あと、サッカーボールはプラスチックみたいな素材で、中が空洞で軽く、鈴が仕込まれている。
で、他にもいろんなルールがあるんだけど割愛して、とにかくプレー内容が凄い。
ドリブルはやるし、フェイントまでかける。
スルーパスもやるしゴールの隅に力強いシュート打つ。
ホント普通に高度なフットサルに見える。
フェイントはボールの鈴の音でかけるらしい。
スルーパスを出す少年にインタビューしていたが、何故出来るのかは見えるんですって答えていた。
見えるって感覚が一番適切ですって。
あと、体感で相手の存在も分かるらしい。
私たちも時々背中に誰かの視線を感じたり、後ろに立たれていることが分かったりするけど、あれの高度な感覚なんだと思う。
笑っちゃったのが、ブラジルの選手はもっと高度で、音があまり出ない空中を浮かせたパスをボレーでシュート出来るんだと。
ここまで来ると、見えないってことを他の感覚でフォローし、見えるのと同じ次元まで高めたってことになる。

居酒屋で客に大声で呼ばれても気付かない、客が手をあげて合図しているのが目に入らない。
って方がいるけど、やっぱり見る意思や聞く意思、というか情報を集めようって意思が足らないからだなって思う。
逆に、見えない席で追加注文をしようって思ってるお客さんの意思が簡単に判ったりって能力が不思議だって思われることがあるけど、普通のことなんだって思う。
私が居たかなり広い店内の居酒屋で、社員が店の入り口を背にして調理場に向かって歩いてきた時、丁度自動ドアが開いてお客さんが入ってきた。
私は調理場の入り口に居て彼が気付かなかったのを見て、「何故君の背中には目がついていないんだ」って怒った。
彼は「背中に目なんかついてません」って当たり前のことを言って悲しんだ(泣いた)。
今じゃ彼も結構偉そうな立場になり、その時のことを記憶していて、数年後にやっとその時の意味がわかったって言っていた。
私はその頃、入り口から完全なブラインドになる調理場内からも入り口の自動ドアが開くのがわかった。
言葉では説明できないが、音は聞こえないと思うがかすかな音を捕らえていたのかも、風、空気が少し変わることを捕らえていたのかも。
まあ一番は、いい店にしたんだからもっと沢山お客さんが来てくれないかなぁって思っていたからかも知れない。

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ーと今日は居酒屋の企画に関して。
誠実な生き様が居酒屋の本質だと思います。
で、本質を内部で顕在化させると共に、企画って手法を使うことが多々ありますね。
居酒屋の企画って、結構、集客目的って短絡的なことに収まる理論付けしか出来たなかったり、付け焼刃的企画ってのが多っくてちょっと不安。
で、もう一段高いのは、本質的な良い面を伝えていないって事を補う為の企画であり、目標がはっきりしていますし、まあその次元までは最低やることを企画って呼びたいとも思います。
で、その先の企画のあり方もあると思うんです。
企画自体でその居酒屋の底力を納得させるやり方が。
最近教えていただいて感心した、ネタを2つ紹介します。
まず最初はちょっと長く、しかも次のサイトに続いて完結しますが、暇つぶしで読んで見てください。


「俺の先祖は恐ろしい人物かも知れない・・・」

で、もうひとつは画像。最近youtubeってサイトはやってるらしいですね。

「Someday」


どちらのネタにもいえることは、ネタというか企画自体に魅力があるということ。
損得や利益から一旦離れた企画に魅力を感じます。



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もうかなり前になる。
私が飲食業をやっていた頃、無農薬の野菜と米を作ってるって方と知り合った。
その方は、京都大学で学生運動、イギリスの大学の大学院、京都の私立大学で哲学を教えていたが、自給自足に目覚めて、山の中の農家を譲ってもらい、そこで農業を始めたって方。
結構有名なお寺の跡取りでもあった。(それも投げ捨てている)
丁度今ぐらいの梅雨の時期招かれてお邪魔したことがあった。
と言っても、田んぼの雑草取りを昼間はやらされましたが。
本当に無農薬の米を作るには、一番上流の田んぼでしか出来ないのだそうだ。
下流の田んぼでは、上流に農薬を使う農家があったらそこの田んぼから農薬は流れてくる。
だから谷地田(漢字あってるかな)って言われる、林に入り組んだ田んぼでしか作れないといっていた。
ところが、平地ではないので面積の大きな田んぼには出来なく、また山側は波状に入り組んでるので機械が入れられない、自ずと古典的な人の労力をかける田んぼで作ることになるって解説だった。
田んぼの草取りって言っても、ゴムの地下足袋みたいなのを履いて、稲の下に小さく伸びてきた雑草の目を両手で泥に馴染ませるって作業だけである。
泥に埋め込むことでそれも稲の養分として利用されるらしい。
ところが辛い。
足を伸ばした状態で前屈し手のひらで田んぼの泥をかき回す。
丁度この時期この姿勢をとらないでしゃがんでやろうとすると、稲の若葉の先が目の高さになって刺さってくるのである。
では柳橋さんこっちの一枚やってもらえますかって小さい目の田んぼを与えられたが、作業の辛さと進み具合の遅さで、腰を伸ばすたびに絶望的な気分に襲われた。
「柳橋さーん!!」
「はい??」
「今啼いたのがホトトギスです!!」
「そうですかぁ(そんなもん気付く余裕はありません!)」
てな感じで、栄養補給としか感じられなかったおにぎりタイムを挟んで、16時頃にやっと完了。
帰り道、「どうですか、泡立っていた泥もあったでしょう。あれは窒素肥料のやりすぎなんです」
「私の耕し方が至らなかった部分に出てきます」
「窒素肥料って昔で言う肥溜めの事、所謂家畜や私達人間の糞尿のことです」
「実はね、窒素肥料の輸入大国なんですよ日本は」
「電化製品を売ってうんこを輸入する、変でしょう」
んー、んっ、もう少し気分的に余裕がある時言って欲しいかな。
私には、足を洗っている裏庭の水道の近くで、彼の家のアイヌ犬、無双が好物の生の夏大根をがりがり食っていることのほうに共感を覚える。
初対面でなついてくれたことを彼らが珍しいって言ってくれたので、私としても無双は心配りしてくれたんだって思ってもいた。(変な犬ではあるが)
しばし無双と遊んで家の中に。
彼の家人が早めに田んぼを切り上げて晩御飯を用意してくれていた。
野菜尽くしの料理ではあるが旨い。
米は旨い、野菜も旨い、肉いらないって晩飯で感じたのは初めてだった。
タバコは止められるんですよ農業に来れば、でも酒は止められないですね、特に日本酒は。
すすめられるまま、冷やした日本酒をいただく。
旨い和む染みる一合も飲まないうちにすばらしい開放感と癒しを感じました。
で、夜は更けると共に哲学、宗教の話。
アニミズムの尊さや欧米の宗教でもギリシャ神話辺りまでは面白かったって話題。
ガンジーの非武装の概念の是非。
子規と虚子と現代俳句との違い、蕪村と芭蕉の人間の大きさ。
イデオロギーの崩壊と今の日本の新たな矛盾。
ちと困り気味で、疲れ気味で飲みましたが、居酒屋って考えるとすっごくいい居酒屋でしたね。
本音を言えば、梅雨の晴れ間の更け行く夜、気温が下がり始めた夜の土の上に座って無双と並んで星を眺めながらちびちびとやるのが良かったんですけどね。

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